若い喫煙男性を襲うバージャー病とは?

バージャー病と歯周病

 

 

さてもうひとつ、バージャー病の原因につながるものに歯周病があります。日本の研究機関から平成17年にバージャー病と歯周病についての関連性について報告されています。この報告以来、歯周病との関係がいろいろな医療者によって論じられています。

 

歯周病というのは歯周病菌(ポーフィロモナス・ジンジバリス)から生じるのですが、実際にバージャー病患者で詰まった血管から歯周病菌が発見されています。それも14標本中13本も発見されているのでかなりの高確率です。

 

歯周病菌は、血管内において血小板と特に強く反応し、そこに20ミクロンもの血小板や赤血球の塊を作ってしまうとされています。このような塊は間違いなく血管を更に狭くしてしまいますから、閉塞させてしまうということも十分に想定されます。

 

喫煙することで血管収縮のデメリットがありますが、それに加えて歯周病を悪化させるデメリットもあります。それはニコチンの代謝産物となる「コチニン」が歯周病菌に好まれるからです。つまり、喫煙することで歯周病が悪化するわけです。

 

バージャー病が欧米諸国では珍しい病気で、反面アジアでは多く見られるのも、喫煙者が比較的多くて、口腔ケアも遅れているためではないかと考える医師もいます。

 

とにかくバージャー病は難病であり、原因不明とはいっても、このような特徴もはっきり見られるので、バージャー病の治療の柱は禁煙指導と歯周病治療となっているようです。

 

また、バージャー病になる男女比は9対1で、圧倒的に男性です。特に30~40代の青年期に発生します。職業歴や生活環境との関連性は不明ですが、喫煙男性がバージャー病になりやすいのは明らかでしょう。